SIerとウェブ系でのチャットの雰囲気の違い

SIerとウェブ系企業ではチャットの雰囲気が全く違っていたのが印象的でした。

もちろんこれは、私が経験してきた限りの企業でしかないので、皆さんに当てはまるわけではありません。

 

「詰め合い、怒り合いの文化がある企業」と「助け合いの文化がある企業」の違いともいえるでしょう。

 

SIerでのチャットの雰囲気

ある部署に異動したてのとき、自分で解決できないことがあったので、Slackのチャンネルで

 

「XXについてご存知の方いたら教えていただけますか?」

 

とチャットを投げたことがあります。

 

当然、誰からも返事はきません。

 

そのチームのチャットでは、「誰かが拾って上げる」「手を挙げる」「助けてあげる」みたいなことをやる人はいないからです。

 

少ししてから、プロジェクトのPMからメンションがありました。

 

「投稿するときはメンションをつけて誰に聞いているのかわかるようにしてください。

プロジェクトはたくさんの人で動いています。

チャットは投稿しても流れていってしまいます。

だからうんたらかんたら....」

 

と、全体に見える場所で、長文で説教がありました。

 

う、うぜー...

 

言っていることはわかりますし、理解もできます。

 

こっちとしてはそんなことはわかりきった上で、「誰か時間が空いていて、手が空いている人がいたら力を貸してくれませんか?」というニュアンスを伝えようと気を使ったわけです。

 

その結果がこれです。面白いですよね。

 

わかりきったことをいちいち公衆の面前で説教して気持ちよくなるプロジェクトマネージャーに吐き気がして、転職活動を加速させました。

 

会社は嫌なら辞めるべきです。

人は変わりません。

 

クソ上司への最強の復讐は、従順に仕事をしているふりをして、プロジェクトの途中で突然退職を申し出ることです。

 

SIerのチャットはこんな感じで殺伐としています。

 

その他にも全体に見えるチャットで、よくわからない年上の方から

 

「この仕事はどうなってるんですか?」

「報告してください」

 

と突然レスが飛んでくることもあります。

 

ここでいう「この仕事」は元々はその年上の方の仕事だったのですが、サイレントで私に「担当者」を移し替えていたんですね。

 

「担当者」を移し替えたのだから、その仕事はお前の仕事だ。

お前の仕事なんだから、仕事が終わったら俺に結果を報告しろ、というわけです。

 

す、すげえ...

 

SIerにはこうやって、自分の仕事をできる限り減らし、他人に仕事を押し付け、自分は成果を確認するだけの立場に行こうとする人がたくさんいます。

 

仕事を受け取ったからといって誰かに感謝されることはなく、受け取れば受け取るほど、プロジェクトマネージャーからは「この仕事どうなってんの?報告は?進捗は?」と詰められることになります。

 

正直者がストレートに馬鹿を見る世界がSIerです。

 

こんな世界に長くいると、「自分の仕事をなるべく減らし、仕事している風に見せかける」という意味のない処世術ばかりが上手になります。

 

人間として腐ってくるということです。

 

前の職場のあるプロジェクトは腐った人間だらけで腐卵臭がしていました。

 

ちなみにこのような腐った文化はCOBOLを使うような古いプロジェクトほど濃厚です。

既得権となったジジイが腐敗を連鎖させていくからです。

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若い人が多いチームや、上司が比較的民主主義的なチームでは、腐った臭いは少ないですが、腐った死体と長く働いた人間は若手であろうと割と腐臭がします。

 

ウェブ系のチャットの雰囲気

詰める人は一人もいません。

人を詰めて気持ちよさそうにする人は誰一人として見つかりません。

 

個人が悩み事を投稿できるtimesチャンネルがあり、誰かが困っているのを見つけたら誰かが助けようとします。

 

聞いてなくても、メンションを飛ばさなくても、すぐに助けようとします。

 

「これ、どうしたらいいかなー」

 

に対して、色々な人が自分ごととして問題を解決しようとしています。

 

SIerの場合は、何か問題があると「これは誰の責任か」と考えていました。

そして自分の責任でない場合は「これは私の責任ではないから関わらない」となるべく見ないようにしていました。

 

助けようとすると、プロジェクトマネージャーから「責任範囲が曖昧になるから手を出すな」と言われるくらいです。

 

同じプロダクトを作っているのに不思議ですよね。

 

私が転職した先のウェブ系では、一人の問題はみんなの問題です。

個々人に割り振られたタスクは当然ありますが、「それはお前の仕事だろ?俺には関係ないから」というスタンスの人はいません。

 

なので、SIerのときのような殺伐とした雰囲気はなく、和気あいあいと、楽しく仕事ができています。

 

チャットのやり取り一つ取ってみても、ウェブの方では末尾に「!」をつけてみたり、絵文字でレスポンスしてみたり、気持ちよくコミュニケーションできるように表現を工夫しています。

 

SIerの方のチャットは雰囲気が固く、とにかく命令口調で雰囲気が悪いです。

偉そうな表現は見る方を不快にします。

 

リモートワークで文章だけのやり取りになる場合は、より一層気をつけなければいけません。

 

一緒に働く人が気持ちよくなるように、お互いに気遣いながら仕事をする職場は快適です。

 

一緒に働く人のことなど考えずに、とにかく上から目線で命令し、支配しようとする人ばかりの職場はストレスが溜まります。

 

そして、これは話の飛躍でも何でもなく、SIerは「支配しようとする人」が増える傾向があります。

 

なぜならSIer社員の仕事は「仕事を誰かにやらせて、結果を評価すること」だからです。

 

SIerでは職務上で明確な上下関係が存在しますし、「やらせて、評価する」が仕事である限り、仕事を投げるインセンティブが働きます。

 

常に「体制図」のヒエラルキーの中で、誰が誰に命令するのかを意識しながら仕事をしなければいけません。

 

フラットな組織とは程遠いのです。

 

ピラミッド組織で、問題をみんなで解決しようとする行動など起こるはずはありません。

上の人は「下の人間の問題なんて俺が確認する必要もないだろ」と考えています。

 

「問題を解決している姿勢や結果を評価して、詰めるのが俺の仕事だ」と考えています。

 

ウェブ系にはそういう人はいません。

 

文化がチャットの雰囲気にも伝わってくるのです。

働くならストレスのない環境で働きましょう。

 

明確なヒエラルキーの中、上から評価したい人、人を支配して気持ちよくなりたい人はSIerの中で年をとっていくのがいいです。

 

みんなで問題を解決して、プロダクトを良くしていきたい人はウェブ系にいきましょう。