新人時代の雑用から学べることなどない!若者はおっさんのポジショントークに騙されずに専門性を身につけよ!
新人時代は雑用をやらされる会社もありますよね。
私が新卒で入った社員数10000人以上の大企業では、新人は宴会会場の予約であったり、コピー取りであったり、電話取りであったり、一発芸だったりと、とにかくありとあらゆる雑用をやらされました。
成功者気取りの偉そうな人は、「雑用からも学び取る人間こそが成功するんだ」とポジショントークをしてきます。
「草履取りから出世した人間がいる。雑用から何を学ぶかが大事なんだ」
と。
馬鹿です。
雑用から何かを学ぼうとする姿勢は素晴らしいですが、同じ学びなら雑用ではなく、実際のプロジェクトから学んだほうが、単位時間あたりで学べる内容は多いはずです。
電話取りやコピー取りのプロになったところで、専門性は身につきません。つまり年収は上がりません。
年を取らずに永遠の命があるのなら、ダラダラとコピー取りや電話取りをやればいいですが、時間には限りがあります。
自分が身に付けたい専門性が「コピー取り」なら何もいいませんが、何らかの専門性を身に着けたいのであれば、雑用は無駄です。断固として無駄です。
ではなぜ大企業で新人に雑用をやらせるかというと、専門を持ったプロフェッショナルとして採用していないからです。
「メンバーシップ型雇用」は日本企業特有の雇用形態と言われますが、採用の際に職務や条件を限定しません。
「総合職」として採用し、色々な業務をやらせます。
「色々な業務」には「コピー取り」や「電話取り」が含まれます。
採用さえされてしまえば、現在の業務に適性がなかったとしても、「異動」や「配置転換」で仕事は保証されます。
つまり、会社の業績が傾かない限りはまずクビにはなりません。
他社に持ち運びできるスキルを身につけるよりも、会社のジョブローテーションを通じて様々な業務を経験して、会社のルールに詳しい人材になることが期待されます。
つまり「◯◯株式会社」の専門人材になってほしい、社外に持ち出せる専門性は期待していない、というのが、日本型雇用の特徴でしょう。
終身雇用と年功序列が前提にあるので、社員の転職を考えていないのです。
だから「雑用から仕事を学べ」みたいなアホな言説がまかり通ってしまいます。
雑用しながら先輩の仕事を見て盗め、というのは姿勢としては間違っていませんが、雑用をしなくても先輩の仕事は盗めます。
ジョブ型で雇用されたらどうなるか?
一方で、ジョブ型で雇用されたらどうなるか?というと、どんなスキルを発揮して、どの分野で会社に貢献するかが明確に定義されています。
- JavaScript の実務経験が3年以上
- React, Vue.js, Angular いずれかのフレームワークを使った実務経験2年以上
などと採用条件が明確に提示され、要件を満たした専門性を持つ人材として採用されます。
採用されてからどこかに配属される、みたいなことは起こりません。
自分自身でどんな分野で活躍したいかを選び、決めて、その分野で会社に貢献し、キャリアを積んでいきます。
積みあげたキャリアを「職務経歴書」に書いて、転職市場で評価されて、年収を上げていくのです。
「電話取りの雑用はお前の仕事!」みたいな文化はありません。
それぞれがそれぞれの分野のプロフェッショナルとして、成果を期待されているので、その成果を阻害するような雑用を押し付けるような考え方はあまりないのです。
そもそも「電話取り」をやらなければいけないということは、電話に出ない人間がいるわけで、自分にかかってきた電話に出ない奴が頭おかしいのです。
出れないなら留守電を設定するだけですから。
日系大企業に溢れる無駄と雑用
私が所属していた大企業では、新人は雑用を何でもやってくれる便利な小間使いとして使われていました。
一日中誰かが使っていて空きが出ない会議室の予約であったり、忘年会会場の予約であったり、完全に無駄でしかない作業に多大なる時間を奪われていました。
いま、同じような境遇にいる人に聞きたい。
一生、その会社で働く気ですか?
永遠にその会社で働くなら、雑用でも何でもして先輩に気に入られるように頑張ればいいのですが、君が雑用している時間で、他の人は着々と専門性を磨いているんですよ。
「メンバーシップ型からジョブ型へ」が散々騒がれている中、本当にそんな風に時間を無駄にしていていいんですか?
というわけで、ジョブ型雇用に移行する未来が来るのであれば、日系大企業で働くのは無駄が多いです。時間は有限ですから。
ジョブ型雇用の未来が来ない方に賭けるのであれば、日系大企業でぬくぬくと雑用し、上司に気に入られるように頑張りましょう。
きっと、「総合職」として花開くはずです。転職市場では評価されないとしても。