ウェブ系に入って驚いた、SIerとの会議に対するスタンスの違い

SIerで働いていた頃、とにかく一日中会議が詰め込まれていました。

朝10時から夜の19時までぎっちり会議が入っている日もあります。

一つ一つの会議は長く、最低60分はかかります。

 

自分のタスクと関係ないチームの人の報告を聞いたり、誰かがPMに詰められるのを眺めていたり、暇な時間がとても多かったのを覚えています。

 

SIerでは役職が上がれば上がるほど会議が増えます。

中堅社員だと一日5時間くらいが会議ですが、プロジェクトマネージャーレベルやその上だと、一日8時間は会議してます。

 

会議文化はコロナでリモートになっても変わりません。

とにかく一日中会議ばかりで、「役職が上の人の予定を抑える」のは至難の業でした。

 

また社内にある「会議室」も予定が詰められていて、「空き会議室を探すのに時間が取られること」も多々ありました。

 

とにかく会議ばかりしていたのをよく覚えています。

 

転職先のウェブ系の企業では、会議はあっさりしています。

会議の時間は長くて30分で、時間を明確に意識して、30分の区切りでしっかり終わらせようとしています。

 

ちなみにSIerだと会議に平気で5分や10分遅れてくる年配者がたくさんいました。

彼らは他人の時間を奪うことに鈍感でした。

 

ウェブ系の人たちは、「会議が業務時間を奪っていること」を明確に意識します。

ウェブ系とSIerというくくりではなく、「前の職場と次の職場」と表現するのが正しいのですが、SIerの人たちは間違いなく、時間を大切にしません。

 

SIerの社員は裁量労働の中で無限に残業できると思っていて、ダラダラ働いて夜遅くに自分の作業をすればいいと考えているからです。

 

SIerでは工数1MDだとか1MMだとかつけていましたが、1MDで8時間も作業できたことはありません。

 

作業時間は2〜3時間あればいい方で、それも「残業して確保した3時間」です。

時間感覚がおかしいのです。

 

社員の人生を搾取するのが当たり前になっていて、平気で他人の時間を奪います。

 

そんな場所で働いても絶対に幸せになれません。

 

時間=人生だからです。

時間を搾取することに罪悪感がない人たちと働くべきではありません。

 

私はSIerにはお世話になった部分もありましたし、全てを否定する気はありませんが、彼らのコスト感覚のなさ、時間感覚のルーズさについては一生肯定的に捉えることはないでしょう。

 

端的にいって、頭がおかしくなってます。

 

「ウェブ系」といってもサイバーエージェントやグリーのように残業が当たり前の会社であれば、おそらく他人の時間を奪うことにルーズになるでしょう。

 

残業が慢性化している企業では「労働時間は有限である」という意識が希薄です。

リクルートなんかもそうですね。

 

ウェブ系企業では長期でプロジェクトを進めていかなければならないので、無理に残業させるような働き方を推奨するようなチームは少ないように感じます。

 

ヤフーやメルカリは月残業時間が20時間以下ですよね。

まぁ、それでもSIerの方が年収が高いんですが。

 

SIerは会議まみれ、ウェブ系は会議少ない

ウェブ系社員は黙って机に向かえる時間が大事だとわかっているため、いちいち会議を大量に入れたりしません。

チャットでやり取りしながら問題を解決していきます。

 

もちろん、必要なときはオンライン会議はします。

ですが、SIerで大量に入れられていたような「60分の定例」はほとんどありません。

 

いま振り返ると、なぜSIer時代はあんなに「定例」があったのか不思議なくらいです。

毎日何時間も入っていた「定例」は、今思うとほとんど不要だったんじゃないかと思います。

 

週に1回、部署のミーティングが30分あるくらいです。

議事はあらかじめConfluenceにアップされていて、誰もが読むことができます。

 

そういえばSIerでは身内向けの定例でも議事録を書かされていましたが、転職してからは必要な内容はその場でConfluenceを編集したり、担当者がチャットで連絡したりするようになったので、不毛な議事録は書かなくなりました。

 

もちろん、ウェブ系でも会社にとって重要な会議では議事録は取りますが、

 

「これ、議事録とる意味あるの...?」

 

みたいな感情を抱くことは一切なくなりました。

 

SIerのあるプロジェクトでは、内部向けの進捗報告会議の議事録を毎週取ることになっていて、その理由が

 

「社内の監査に怒られないため」

 

というしょうもないものでした。

 

監査は監査で馬鹿なので、そんな不毛な議事録に社員の時間を費やしていることを怒るべきなのに、形式的に「何かが揃っているかどうかをじっくり検討する...」みたいな、これまた無駄なことを頑張ってやっていました。

 

全部が全部、暇な人の仕事を作るための仕事で、価値を生み出す仕事にはつながっていないものばかりで、心底うんざりしていました。

 

そんな風に、とにかく「時間がもったない」と感じることが非常に多かったので、理不尽や不合理、無意味な仕事に疑問を抱いてストレスを溜めてしまうタイプの人にはSIerは向きません。

 

やっている作業に疑問を抱くことなく、社内のルールの中でしっかりとやるべきことをやれる人にはすごく向いている仕事だと思います。

 

まとめると、SIerは死ぬほど会議が多く、会議ばかりで、会議が仕事になります。

会議にさえ出ていれば仕事をしたことになるので、会議を頑張れる人には良い職場です。

 

ウェブ系では会議は必要最低限で、一つ一つの会議が短く、自分の作業時間が長くなります。

会議は別に「仕事」ではないので、自分で価値を生み出せない人には辛い職場となります。

 

どちらが楽しいかはその人の価値観次第です。

時間は自分が「意味がある」と思えることに使いましょう。