【新卒】SI業界に入社するための志望動機の書き方、面接の語り方
SIer志望の就活生は一定数いるかと思いますが、志望動機をどう書けばいいか迷いますよね?
ぶっちゃけると、色々な業界・色々な会社を受けて、志望動機は会社のウェブサイトを呼んで絞り出している人が大半だと思います。
本音だと「給料が良い」とか「世間体が良い」「かっこよさそう」みたいな動機の人も多いはずです。
実際働いてみないとどんな仕事をしているかなんてわからないですからね。
かといって、「給料が高そうだから」と正直に答えると、よほど優秀な人以外は落とされます。
「給料が高いなら他の会社もあるじゃないか」という疑問に答えられないからです。
志望動機の「納得性」を高めよ
大学生が志望動機を書くときは、相手が論理的に納得できる理由を説明できるかどうかが肝心です。
面接官が確認したいのは2つです。
- この会社に入りたい理由が納得できるか
- 会社に入って活躍する未来に自信が持てるか
社会人は「アカウンタビリティ」がとても重視されます。
面接官は「なぜこの候補を合格させたか」を説明できないといけません。
落ちるのに理由はありませんが、合格には必ず理由があります。
面接官も会社員です。
上司に「なんでこの人合格にしたの?」と聞かれたときに、ちゃんと理由を説明できなければいけません。
こんな魅力があった
こんな実績があった
こんな性格の人だった
だから、うちの会社で活躍できると判断した...と説明できるように、実績をアピールしなければいけないのです。
では、就活生はどうすればいいか?
- 私はこんな経験をしてきた→だからこの会社に入りたい
- 私はこんな経験をしてきた→だから会社で必ず活躍できる
と言えるような「エピソード」を語ればいいのです。
SIerに合っているエピソードを探しましょう。
私の場合は、難関資格試験に合格したエピソードがあったので、それを業界にアレンジして伝えました。
- 毎日10時間、1年以上勉強した
- 勉強は全く苦にならないし、これからも学び続けたい
- IT業界で新しい技術を学び、業務に活かしていきたい
上記のエピソードから「ストレス耐性があり、長時間の業務にも耐えられる」という隠れアピールもしています(アクセンチュアや野村総合研究所では特に重視されます)
部活での経験でもSIに絡めることは可能です。
SIerではゴリゴリに実装するよりも、外部ベンダーや社内の人との調整がメイン業務になります。
たくさんの関係者の利害を調整して、スケジュールを組み、予定通りにタスクをこなしていくマネジメント能力こそが、SIerに必要とされる実績です。
そこにつながるようなエピソードを語りましょう。
たとえば...
- 部活で全国の旧帝国大学が集まる旧帝大戦があった
- 大会の実行委員長になった
- 全国に散らばる各大学の代表者と日程を調整して、タスクを振り分ける必要があった
- 会場を押さえ、段取りを組んで、適切にタスクを振った
- 大会は無事に成功し、後日アンケートの結果、関係者の満足度も高かった
みたいなエピソードを書いてみるのもいいでしょう。
関係者を調整し、スケジュールを組み、段取りを組み、タスクを振り、プロジェクトを成功させる、というのは、SIerの仕事そのものです。
SIerじゃなくてもどの会社でも使えます。
「大会でレギュラースタメンで得点王になった」とか、そういう結果は別にいらないんです。得点王になる能力が会社で使えるわけじゃないからです。
大学生の「この人すげー」が会社員の「仕事できる」につながるとは限りません。
会社員としての業務につながるエピソードを語りましょう。
エピソードがないなら、3ヶ月くらい苦労して何か実績を残してみましょう。
STARでエピソードを語れ
新卒ではあまり触れられませんが、転職活動では「STAR」という単語がよく使われます。
元々はGoogleやAmazon、マイクロソフトでのよく聞かれる質問に対するフレームワークとして有名になったようです。
STARとは4つの単語の頭文字をとったものです。
- S(Situation):過去の状況について
- T(Task):その時の課題は何か
- A(Action):どういう行動を取ったか
- R(Result):その結果は
自分のエピソードをSTARで整理しておいて、語れるようにしておきましょう。
状況によっては結論からサクッと答えた方がいい場合もありますし、じっくり語ったほうがいい場合もあります。
回答は長すぎるとうんざりされてしまうので、1〜2分程度で答えられるように練習しておくのがよいでしょう。
具体例を見てみましょう。
例は適当ですが、こんな感じのエピソードを語れば面接官的には
「おっ、こいつすごいやつなのでは?」
と安心できるはずです。
ウェブ系だとエピソードよりも「実装経験」を見られるのですが、文系からのSIer志望の方は下の例のような感じでポテンシャルを感じさせてください。
【質問】「学生時代に一番頑張ったことについて教えて下さい」
【回答】
(まずは結論から。フックを入れて「おっ、どういうこと?」と思わせる)
潰れかけたカツ丼屋の再生です。
(Situation)
私がバイトしていたカツ丼屋は周囲に競合が多く、また場所も大通りから少し離れてしまうため、お客様があまり来ない状態が続いていました。
(Task)
カツ丼屋を営んでいる店主は高齢なこともあり、もうカツ丼屋を閉めてしまおうかと悲しそうにしていました。
悲しそうな店主を見て、なんとか店を盛り上げようと考えました。
最初に取り組んだのは集客です。
美味しいカツ丼も、知ってもらえなければどうしようもない。
もっとこのカツ丼を知ってもらいたい...という気持ちで、集客方法を研究しました。
(Action)
お店の周りにはいくつか大学や大きな会社があります。
そこにいる人達を呼び込めないかと作戦を練りました。
今どきの大学生は、どこでランチするかはSNSかネット検索で決めます。
ネット検索でお店を訪れる人を増やすために、3つの施策を行いました。
1つ目はGoogle Mapsの口コミ数を増やす施策。
2つ目は、SNSを使った口コミ拡散。
3つ目は、SEO対策によって、「カツ丼 おすすめ」などで検索1位で表示させるようにしたことです。
R(Result)
施策の結果、SNSでは3万RTを記録し、複数のウェブメディアにも取り上げられました。
お店は連日満席。
GoogleMapsの口コミも高評価が並び、検索ではトップに表示されています。
店主がすごく喜んでくれて、私もすごく幸せでした。
自分が真剣に考え、提案し、工夫することで、お客様を幸せにし、お店を盛り上げ、私自身も成長することができました。
御社に内定をいただけたなら、お客様が満足していただけるシステムをどう作っていくかを学び、考え、提案し、会社に貢献していきたいと思っています。
(以上)
本郷のロシア料理「海燕」のエピソードから作ってみました。
日本シェフの👨🍳おじいさんが
— ロシア料理 🇷🇺海燕(かいえん) (@Russia__kaien) September 28, 2017
1人で切り盛りしている
ロシアレストラン海燕です
ちなみ私は大学生アルバイトです!
お客さまを1人でも増やすべく
インスタとTwitter作らせて
頂きました😩
わからないことだらけですが
皆様お店の宣伝にご協力ください📣 pic.twitter.com/YeDlrCAZuX
派手なエピソードでなくてもいいんです。
課題があって、その課題に対してどんなアクションを起こしたか。
そのアクションは会社に入っても活かせそうなポテンシャルを感じるものかが大事です。
ただ、面接官も人間です。
退屈なエピソードを延々と語ると飽きられてしまうので、相手が「聞きたい」と思えるような話だといいです。
数字を入れるとなおよいでしょう。
上の例だと、「検索1位」「リツイート3万」とかですね。
その他にも、自分でスマホアプリ作ってみたとか、サイトを公開した、WordPressで集客した、みたいなエピソードもウケると思います。
あまり時間はかからないと思うので、お小遣い稼ぎのつもりでエピソードを作ってみてください。
SIerはどんなに大手だろうと、平均年収が1000万を超えてようと、大企業だろうと、ポテンシャルで入社できます。
未経験で入社できるのは日本だけで、文系卒からのIT業界への足がかりとしては最適な一歩目のキャリアです。
SIerからウェブ系、SIerからコンサル、SIerからベンチャーに転職する人もたくさんいるので、とりあえず内定は取っておきましょう。
踏み台にするもよし、楽しかったら続けるのも良しです。
ただ、SIerは専門性が身につきづらいので、40歳を超えると転職しづらくなるのでそこは注意が必要です。