自社開発・ウェブ系IT企業とSIerの「休日の勉強のやり方」の違い

自社開発のウェブ系企業に転職して驚いたのは、社員が業務時間外にもめちゃくちゃ勉強しているところです。

 

もちろん、「私、いつも勉強してまーす」と誰かがアピールしているわけではありません。

 

ツイッターで技術的につまづいている部分をつぶやいていたり、Qiitaに投稿していたり、GitHubで業務で使う技術の勉強を始めていたりしているのを覗いて気付きました。

 

みんな、めっちゃ勉強しとる...と。

周りの人がそうやって頑張っていると、良い意味で焦ります。

 

「自分もやらねば、置いていかれる」

「周りの人が頑張ってるから自分も頑張ろう」

 

と思えます。

 

まぁ、みんな好きでプログラマをやっているからこそ、趣味の延長で、休日も技術に触れているのでしょう。

 

SIer時代。

周りの社員は全然勉強していませんでした。

 

SIerの文化的に、ツイッターやZenn、Qiitaなどにアウトプットはしないので、ウェブで彼らのライフスタイルを追いかけるのは難しいのですが、Facebookや同期のツイッターなどは時々見ていました。

 

休みの日はゴルフやボルダリング、キャンプなどの趣味に費やす人がほとんどです。

 

勉強するといっても、情報処理試験の2ヶ月くらい前から、平日の通勤時間と休日の数時間を試験勉強に使うくらいでしょうか。

 

SIerの人は技術の勉強はしません。

手を動かして何かを作ることはありません。

 

ほぼ全員仕事が嫌いなので、休日出勤を除き、休日に仕事に関係する何かをする人は稀です。

 

 

全く勉強しないわけでもないですが、組織論であったり、チームの作り方を勉強する人が少々いるくらいです。

 

技術に関しては全くの無知で、関心を持っていません。

 

なので、時代遅れになっても誰も気付かないのです。

 

ウェブ系では資格試験の勉強をする人はほとんどいない

SIerではとにかく、情報処理試験の受験を推奨されていました。

 

基本情報や応用情報が仕事で役に立った記憶はありませんが、基礎知識を「覚える」にはよかったと思います。

 

SIerでは応用情報を取得することが昇進の条件にされていました。

高度情報処理試験が「上級職」の加点になったりもします。

 

とにかく、情報処理試験は大切に扱われていました。

情報処理試験の取得者数が会社のブランドになっていたり、コンペに使われたりするからですね。

 

ただ、仕事ができる・できないと情報処理試験の取得有無は全く関係ありません。

高度情報処理試験をコンプリートしている人がいましたが、仕事は全くダメ、いない方がマシな人も割といます。

 

ウェブ系では資格試験の勉強はしません。

具体的に、目の前の課題を解決するための勉強をします。

 

技術を使って何らかの問題を解決するための勉強です。

 

プライベートでVue.jsやReactの勉強用のリポジトリを作って色々と試して、技術が理解できたら会社のフロントエンド側のコードに還元していきます。

 

Dockerをプライベートプロジェクトで使ってみて、会社のプロジェクトに還元する人もいます。

 

ウェブ系・自社開発企業の「勉強」は「会社で活用するための準備」なのです。

また情報発信にも積極的です。

 

ツイッターアカウントを作り、ブログを持ち、技術を発信しています。

技術を発信し、同じ技術に関心を持つ人同士で横のつながりを作っていきます。

 

その人脈は勉強会や転職につながりますし、業務委託に活用されることもあります。

 

技術を学び、何かを作り、発信し、人とつながり、自分のプレゼンスを高め、成り上がっていくのがウェブ系エンジニアの成り上がる道でしょう。

 

そのトップにいるのがZennを作ったCatNoseさんやフロントエンドの大御所、Mizchiさんなのです。

 

SIerの勉強は社内で出世するための勉強です。

ウェブ系の勉強は実績につなげるための勉強です。

 

それぞれ目的は違うので、どちらが正しいともいえません。

 

エンジニアは勉強し続けないと時代遅れになって価値が落ちる...と言われますが、SIerの人は別に勉強しなくても大丈夫です。

 

技術を勉強しても会社では活かす場所がありません。

SIerで大事なのはとにかくドメイン知識(業務知識)です。

 

ドメイン知識は本を読んでも学べません。

会社で学ぶしかないのです。

 

そういう意味でも、SIer社員がわざわざ休日に本を買って勉強するインセンティブはないように思います。

 

SIerで学んだ「業務知識」は転職先では役に立たない

SIerでは徹底的に、とにかく業務知識が必要となります。

 

自分が担当する複雑なシステムの中身はわからなくても、

 

「いつ、どうやって、何が動くか」

「どんなシステムと一緒に動いているか」

「何をインプットにして、何をアウトプットするのか」

 

などを「よく知っている」人が「優秀な人」とされます。

 

東京の路線図のようにごちゃごちゃとした「ジョブ一覧」のようなものを丸暗記している人が「すげー」と言われるわけです。

 

わかりますか?

 

SIerで「すごい人」になりたかったら、とにかく寝る間を惜しんで「業務知識」を学びましょう。

 

Excelで書かれた超絶わかりづらい「設計書」とか、「バッチ関連図」みたいのがどこかにあるはずです。

 

そういう資料を目を皿にして読んで、暗記しましょう。

理解して暗記すれば、SIerの業務では必ず役に立ちます。

 

SIerでは技術なんて学んでも何も役に立ちませんし、誰にも理解されません。

とにかく業務を学びましょう。

 

で、そうやって死ぬ気で学んだ「業務知識」は転職や異動で何も役に立ちません。

驚くほど意味がありません。

 

SIerで学んだ「業務知識」は狭くて応用が利かず、そのSIer特有の特殊な知識でしかないため、汎用性がないのです。

 

SIerは勉強しなくてものらりくらりと残業すれば会社で生きていけるのは楽ですが、

 

「いつか転職したい!業界で活躍したい!有名になりたい」

 

という人には全く向きません。

 

SIerのベクトルが逆方向に向いているからです。

 

「自社特有の、自社内で、社外には情報を発信せず、身内での承認を目指す」

 

のがSIerの生き方です。

 

給料は高いので、SIerの仕事にストレスを感じないのであれば、土日に遊びながらSIerライフを楽しむのがいいでしょう。