SIerとウェブ系のパソコンの容量の違い

「パソコンの容量」というのは無論、ストレージの容量のことです。

下のツイートを見て思い出しました。

 

 

SIer時代、支給されたパソコンのストレージの容量はSSDで128GBでした。

「128GB」というと十分に見えるかもしれませんが、OSにかなりの容量を持っていかれ、日々大量に飛び交う添付ファイル付きのメールや、申請資料などをローカルに落としてしまうとあっという間に容量を埋め尽くしてしまいます。

 

なので、定期的に「いらなくなったメールを消す作業」や、「使う頻度が低いアプリケーションを削除する」などのクリーンアップ活動を行っていました。

 

しばしばWindowsのディスククリーナーソフトを使って、サイズの大きいファイルを削除していました。

 

2013年頃に関わっていたプロジェクトではMavenを使ってJavaの依存モジュールを管理していました。

Mavenを使うのは組織の中では「最先端」で、mvn clean installでダラダラダラっと依存モジュールがダウンロードされてビルドまでされたことに感動した記憶があります。

 

それまではNEC製の謎のファイル管理ソフトでモジュール(jar)の管理をしていたからです。

 

しかしながら、依存モジュールを自動でダウンロードするということは、ディスク容量を圧迫することに他なりません。

 

手元で開発環境を作ろうとすると、どう頑張っても128GBでは足りないのです。

 

私のディスク容量はカウンドダウンされているかのように、「0GB」に近づいていくのでした。

 

「業務で利用するのはExcelとPowerPointだけ。

開発には一切関わらない」

 

と決意しない限り、128GBのPCは厳しいです。

 

ちなみにSSDはダメですが、HDDであれば、256GBや512GBのPCを購入することもできました。

 

とにかく開発者には厳しい環境でした。(生産性を高めるための)余計なソフトウェアはインストールが難しかったのです。

 

ウェブ系で支給されるノートパソコンのディスク容量

当たり前のようにSSD 1TBでした。

正直、1TBあるとディスク容量は意識しません。

 

余計なことを考えずに、必要なソフトウェアはインストールするし、仮想環境をいくら作っても不安はありません。

 

「ディスク容量がない!

 

”書き込みできません”

 

のエラーが出てしまう!」

 

と業務中に無駄に悩んだのは遠い過去の話。

 

そんな不毛な悩みを抱えることはなくなりました。

 

といっても、SSD 1TB、メモリ 32GBのMacBook Proを購入したところで費用は30万円ちょっとで、人件費に比べたら微々たるものなんですよね。

 

SIerのしょぼPCの社内購入価格はたしか15万円くらいでした。

 

「30 引く 15」で15万円ケチっただけで、社員の生産性が格段に落ちているのです。

 

15万円は個人にとっては大きいですが、会社にとっては誤差のレベルです。

ましてや巨大なSIerにとっては大した経費にはなりません。

 

社員全員に買い与えるのは難しいし、Excelしか触らない40歳以上の社員にMacBookを買い与えても無駄になるでしょう。

 

豚に真珠、猫に小判、SI社員にMacBookです。

 

とはいえ、開発に携わる若手社員や協力会社の社員には、十分なスペックのPCを与えるべきだと考えます。

 

SIerはヒエラルキーの意識が非常に強いので、

 

「偉い人のPCがしょぼいのに、”下の人間”のPCが高性能であることなど許さん」

 

「偉い人が今のPCで業務できているのに、”下の人間”が贅沢なパソコンを使うな」

 

という雰囲気があります。

 

また「標準で決められたPC以外は購入させない」という強い制約があります。

そのような様々な制約に縛られているため、開発環境が改善される見込みは薄いのです。

 

SIerの中にも理解ある人はいる

ここまでSIerの劣悪な開発環境に焦点を当ててきましたが、理解ある上司はいます。

iPad向けのアプリケーションを開発しているときは、プロジェクトメンバーのためにMacBookを購入してくれた課長もいました。

 

相談すれば親身に話を聞いてくれる人もいます。

理解のある頼りになる上司もたくさんいるのです。

 

SIerのガンになっているのは「COBOL畑で育ってきた中年社員」で、COBOL文化に染まっている人はとにかく融通がききません。

 

何でもかんでもルールで縛り、単純作業の工場労働者を監督するかのようにチームをマネジメントしようとします。

 

開発メンバーの人権など考えず、「一番偉いプロジェクトマネージャーの言うとおりにしなければ許さない」という空気が蔓延しています。

 

インターネットでヘイトが渦巻く対象は、このような「COBOL文化に染まったSIerの中年社員」に対してでしょう。

 

COBOL文化の人たちはとにかく現代のソフトウェア開発を理解しようとしません。

工数の大きいプロジェクトをマネジメントした経験を誇り、工数とスケジュールにしか関心を示しません。

 

役職と年次で人を判断し、何ができるかよりも誰が言うかで物事を評価します。

 

官僚文化が骨の髄まで染み込んでいるのがCOBOLで育った上流工程担当のSI社員なのです。