SIerからウェブ系に転職して驚いた「会議の時間」の変化
前職の大手システムインテグレータ(NTTデータや大塚商会をイメージしてください)では、会議が一日の大半を占めていました。
いつもOutlookで会議の予定を確認し、「今日は何時から何時だけ自分の作業時間があるな」と空き時間を探していました。
朝10時から夕方の18時まで、会議で予定が埋め尽くされます。
自分の作業をするにも、1時間おきに会議が入ったりして、まともに集中できる環境ではありません。
入社1〜5年目の若手のうちから一日2〜3時間の会議が詰め込まれ、年次が上がるごとに会議は増えていきます。
30代半ば以降になると、一日のほぼ全てが会議で埋まります。
会議以外の仕事は18時以降にやらなければなりません。
SIerの残業時間が長いのは、日中会議ばかりしているからです。
無駄な会議ばかりなのに、何かをやめると問題が起きたときに責任を取らなければならないので、誰も「無駄である」と指摘はしません。
「ちゃんとやっていたのか?」
「や、やってませんでした...」
と答えるのが嫌なので、とにかく意味がなくても何でもやるのです。
SIerではどんな会議であれ「とりあえずやっておく」が美徳とされているため、不要かつ非効率な会議はどんどん増えていき、予定が空いているところはオセロの駒を置くように、どんどん黒く塗りつぶされていきます。
日中会議を入れすぎて空き時間が少ない
まずSIerの40代の社員は一日中会議を入れています。
とにかく空き時間がありません。
ある40代の偉そうなおっさんに、一緒に担当することになった業務について打ち合わせを依頼すると、
「朝7時に予定を入れてくれ。そこなら俺の予定は空いている」
などと言われました。
馬鹿だと思いました。
- 朝7時以外予定を空けられないくらい会議を詰め込む無能さ
- 朝7時に他の社員を会議に誘う想像力のなさ
- 朝7時に会議を入れるストイックさを誇る時代錯誤さ
すべてにおいて、「こいつはやばい奴だ」としか思えない、ダメを凝縮したナニカのように見えました。
しかしながら、SIerではこのような「ダメさ」はむしろ歓迎され、「朝早くから会議を入れるなんてすごい...!ストイック...!」と持て囃されるような風潮がありました。
SIerの人々は普段から辛そうにしながらも、自ら長時間労働を望んでいたのです。
月末になると、
「いやぁ、辛いよ、今月の残業時間はやばいよ、ハハハ」
などと嬉しそうに語るのが習慣でした。
ヤバいなら、なぜ是正しないのか。
「やばいよ」と雑談するならさっさと帰ればいいのに。
辛いと言うなら、翌月は辛くないようになぜ工夫しないのか。
などと、いつも不思議に思っていました。
結局、退職するまでその疑問は晴れることはありませんでした。
それもそのはず。
彼らは辛く、我慢することこそが「仕事をしていること」だと思い込んでいたからです。
SIerではストイックさが評価の要
前述したように、以前勤めていたSIerには、朝7時や8時にミーティングを入れようとする上司がいました。
普通に考えて、7時や8時にミーティングを入れられると睡眠時間を削らなければならないですし、眠い目をこすって業務するのは非効率です。
偏差値は高いけど頭の悪い、根性論が好きなエリート大企業会社員は、
「甘えるな!仕事の意識が低いんじゃないのか?」
などと言ってきそうですが、
「うるせえ、お前一人で勝手にやってろハゲ」
としか言いようがありません。
あるプロジェクトの上司は
「あのときのプロジェクトは厳しくて、朝6時から会議していた」
などと自慢してきました。私は
「へぇ〜すごいですね...」
としか言えなかったのですが、心の中で転職の意志を固め、こう思っていました。
「こいつら、マジで馬鹿だ。集団で馬鹿をやって、頭がおかしくなっている」
普通の頭脳を持っているならば、
「朝6時から働かなければいけないような状況に陥らないように、どうするべきだったか」
を反省するところを、なぜか美談のように、武勇伝のように長時間労働を語っていたのです。
馬鹿は馬鹿であることに気付けないから、ずっと馬鹿のままなのです。
だから、彼らに「無駄だよ、それ」と言っても意味がありません。 心身ともに疲弊していく彼らを遠くから見守る他ありません。
で、なぜこんなにSIerの社員が長時間労働を自慢したがるのかというと、彼らは「優秀さ」や「自分のすごさ」を「労働時間」で示すしかないからです。
「納期の厳しいプロジェクトをストイックさで乗り切って、根性でリリースを成功させた」
というのが、SIer社員のお決まりの自慢ですが、SIerの社員の仕事は「管理」なので、「自分が何をやったか」「自分に何ができたか」を語れる部分は少ないんですね。
全社標準化されたプロセスの則って「Excelでスケジュール管理する」「スケジュールの遅れを詰める」「上司に報告する」だけですから。
また、売上に対してどんなインパクトを残したかを語るには「経営」との距離が遠すぎるため、自分たちの仕事が会社にとってどんな意義があるかを語ることはできません。
良くも悪くも、「目の前の業務」と「会社の経営」が切り離されているため、自分の仕事が会社に何の意味があるのかを意識することは少ないです。
だからまぁ、自慢できることといえば「ストイックさ」しかないし、上司との評価面談でも「厳しいプロジェクトでストイックにこんなことをやって乗り越えた」というストーリーが好まれます。
ウェブ系では会議は短く、最低限
SIerではExcelにごちゃごちゃと書いて、会議をして口頭で補足するのが当たり前でしたが、転職したウェブ系の会社では基本的に、会議で話すようなことは予めConfluence上にテキストで残しておいて、確認事項は最小限にしています。
SIerでは会議のデフォルトは60分で、だいたい延長して70〜80分になっていましたが、ウェブ系では原則30分です。
30分という時間をしっかりと意識して、ちゃんと時間通りに終わらせようとします。
SIerでは時間通りに終わらないのはむしろストイックでカッコいいように捉えられていましたが、ウェブ系では時間通りに終わらない会議は悪です。
マネージャー層だと会議の時間は増えますが、それでも一日中会議している人はいません。
また、会議自体もできる限り短く、テキパキ進むように工夫するので、ダラダラと日中は会議だけで終わり、ということもありません。
部長、本部長、役員レベルでなければ、どんなに長くても1日2時間以上会議することはないでしょう。
組織の大きさにもよりますが、それでも無駄に会議しまくることは美徳とされません。
自分の作業時間が大切だとみんな知っているからです。
必要な連絡はチャットで行い、チャット上でやり取りしながら問題を解決してきます。
SIerではとにかく対面、とにかく会議、会議で承認しなければ何も進めない...というのが当たり前でしたが、ウェブ系ではチャットでどんどん話が進みます。
上長に承認しないと何もさせない、というような文化はなく、チャットで連絡を取りながら必要と判断した作業は個々人の裁量で進めることができます。
SIerでは個人の裁量はほとんどなく、とにかく何をするにも「承認」を得なければなりません。
色々な人と「調整」し、「こんなことをやっていいですか?」といちいち聞かなければいけません。
だから仕事は全く進まず、不毛な調整で時間を浪費してしまっていたのです。
SIerは性悪説で組織が回っているので、とにかく会議して、合議して、承認されて、責任の所在を曖昧にしなければ仕事ができないのです。
ものすごく不毛な時間ですよね。
こんな不毛な時間を過ごして成長できるはずがありません。
成長したい、市場価値を高めたい、仕事を頑張りたい、と考えている若い方はSIerのような古き悪しき日本文化がはびこっている組織には近づいてはいけません。
SIerに限らず、総合商社やメーカーでも何でもいいですが、とにかく古い日系大企業は避けましょう。
ゴミクズの集まりです。ほぼ全員無能です。優秀な若者は関わってはいけません。
若者がこの記事を読んだら、これだけ覚えて帰ってください。
「日系大企業はクソです。さっさと辞めましょう」
ちなみに謎の有志活動とか委員会活動とか、そういうのやって「若手でもやってる感」を出そうとしている大企業はたくさんありますが、本業がクソなら会社はクソです。
私は委員会やら有志活動やら「大企業を変える活動」みたいなことをしている連中には「遊んでないで仕事しろ」と強く言いたい。
本業がクソで不満だから、社外で変な活動してんだろ?
だったらもう辞めちゃえよ、その仕事。としか言いようがありません。
最初から本業で頑張れる、仕事が楽しい職場に行きましょう。