SIerとウェブ系のツイート内容の違い
「ツイート内容の違い」と書くと大変に主語が大きい話なので、「こういう傾向があるかも」くらいで読んでもらいたいです。
また、ツイッターのアカウントの「主な使いみち」は単なる「つぶやき」であり、
「エヴァ面白かった!」
「コーヒーうまい」
みたいなものが多いのも事実です。
この記事で取り上げるのは、ある程度フォロワーがいて、「読ませることを意識したアカウント」の傾向です。
SIerの人が他人向けに「仕事論」を語るときは人間や組織に焦点を当てる傾向があります。
簡単に見つかった例だと以下のようなものが多いです。
40代になってコミュニケーションで気を付けていること。
— ヤマダヒロタカ@SIerの酒呑み部長 (@yamadahirotaka_) January 16, 2021
・自分の話は問われるまでしない
・相手の話を膨らませて笑いに変える
・相手の話を絶対に否定しない
・相手が安心して話せる雰囲気を作る
自分と話すことで安心感を感じてもらえるよう心がけていますが、仕事でもプライベートでも有効です。
このようなコミュニケーションスキルであったり、組織の運営方法だったり、管理手法などの意識が高い話題を選ぶ傾向が非常に強いです。
一方でウェブ系の人のツイートは具体的な問題についての技術論が多い傾向があります。
簡単に見つかる例だと以下のような感じです。
immer だと
— OSSタダ乗りおじさん (@mizchi) March 12, 2021
const newObj = produce(obj, draft => {
draft.x = 1;
});
のが、なんかスコープとキャプチャっぽい概念入れて
const newObj = immutable do {
obj.x = 1; // ここの変更は外に伝わらない;
obj; // do exppression のルールで返却される
}
みたいなのがJSにほしい
もちろん全ての人が同じ傾向を持つとは限りませんが、業務内容的に、SIerの人は技術的な内容に触れることは少ないといえます。
SIerの人たちが業務で向き合う問題は基本的に「人間に関すること」に収斂していくからです。
SIerでの飲み会の話題
SIerでの飲み会での話題も人間に関するものが多いです。
どんな話題を好むかはチームによって異なるし、人によって異なるので、一概に「こうだ」とは言えません。
ですが、全体的に
「◯◯さん(会社の偉い人)と仕事をしたときは△△だった。厳しい人だった」
みたいな、自分が厳しい人の元でたくさん残業してきた話を好む傾向があります。
というのも、SIerの業務は高度に標準化されているので、業務自体で差別化は難しいですし、SIerの社員が技術的に難しいことをして何かを作り出すことはありません。
必然的に、何か飲み会で自慢できるネタを探そうとすると、
「納期が厳しいプロジェクトを残業で乗り切った」
「たくさんの人を動員した大規模プロジェクトのPMを担当した」
「偉くなった誰かの元で働いていた」
というような、人脈や業務時間の長さに関わるものが多くなります。
ちなみに10年働いてきて、飲み会の席で「新しい技術の話」などが出たことは一度もありませんでした。
こうやって書くとSIerの飲み会が腐った日本企業の様相を呈しているようにも見えますが、真面目にSIerの未来を考えている中堅層の人たちがいたのも事実です。
技術が全てではないですし、技術ネタを飲み会で話せば会社が儲かるわけではありません。
飲み会で話しかけてくるおじさんがみんな自慢ばかりするわけでもないです。
飲み会でも会議でも部下の話をよく聞こうとする素晴らしい上司もたくさんいました。
ですが、一部の自己顕示欲の強いおかしな人がいると、全体の印象もおかしな人に引っ張られて非常に悪いものになるのが残念なところです。
なお、飲み会で残業自慢するタイプの人が上司になると、ほぼ間違いなく長時間労働を強制されます。
タスクに関係なく、「働いているかどうか」を「残業しているかどうか」で測ろうとするからです。
ワークライフバランスを
「ワーク9、ライフは1というか最低限」
にしないと「真面目に仕事をしていない」とみなすタイプの人です。
飲み会の話に脱線しすぎましたね。
SIerは意識が高い人には向いている
SIerは意識が高い人には良い環境です。
就職活動のグループディスカッションでリーダーをやりたがるタイプの人です。
仕事論とか組織論、コミュニケーションのあり方や未来のことを「考える」のが好きな人はSIerに向いてます。
そういうのを考える会議はたくさんありますし、組織の運営についても日々ディスカッションしています。
一方で、具体的に問題を解決したい人、
"Shut the fuck up and write some code(グダグダ言ってないでコードかけよ、ハゲ)"
に賛同するタイプの人はSIerには向きません。
SIerの仕事は「グダグダ議論して、コードは書かない」ものだからです。
具体的に問題は解決しないけれど、ビジネスモデルを議論したり、議論がMECEであるかを確認したり、美しいパワーポイントを作って周りの人に説明するのが好きな人はSIerで幸せになれると思います。
どちらかというと、コンサルタント寄りの仕事ですね。
そしてこの記事を読むとどうしても技術寄り、ウェブ寄りが良いように見えてしまいますが、コンサルタントっぽい仕事が好きな人もいるわけです。
仕事に良し悪しはないですし、日本企業で働く限り、上流工程に寄っていった方が年収は上がる可能性が高いです。
お金で全てが解決されるわけではありませんが、お金があればかなりの不快な出来事を減らせます。
なので、「仕事での不愉快」を我慢してSIerで働くのは選択肢としては大いに「アリ」だと私は思います。