SIerとウェブ系の服装の違い
SIerで10年近く働いてきて、その後ウェブ系に転職しました。
SIerとウェブ系では「本当に同じIT業界なの!?」とひっくり返りそうになるくらい文化が違うのですが、今日は服装について語ります。
SIerでは原則ビジネスカジュアル
SIerではTシャツに短パンのようなラフな格好は許されません。
そんな格好で通勤する人は見たことがありません。
ビジネスカジュアルが基本です。
ビジネスカジュアルは「上下スーツによる正統派スタイルよりもくだけた着こなし」と定義されます。
SIerの中では「パンツはスラックス。ジーンズはダメ。上は襟付きであること」と考えられていました。
ポロシャツは「襟付き」なのでOKですが、TシャツはNGとされていました。
顧客に訪問するしないに関わらず、一律にビジネスカジュアルとされていて、実際にオフィスを歩くと、オフィス内に顧客はいないにも関わらず、スーツが6割くらいを占めていました。
スーツを着てExcelを開いて仕事をしているのです。
夏はさすがに暑いので、スーツ率は3割程度まで下がり、ポロシャツの割合が増えました。
あるとき、本部全体宛にメールが飛んできました。
「最近服装が乱れています。
社会人として恥ずかしくない服装にしなさい。
サンダルなんてもってのほかです」
みたいな内容でした。
革靴を履いて歩くと足が疲れるので、オフィス内だけサンダルで歩く人がけっこういたのを見て、メールを送ってきたのでしょう。
その人は管理部門で、本部の業務の管理をしている年配の方でした。
サンダルなど「けしからん!」と怒っていたわけです。
顧客に合わないオフィス内であれば、快適で仕事がしやすい服装の方がいいと私は考えていたのですが、一部の年配の方には確固たる「社会人たるもの像」があるので、「社会人たるもの像」に合致しない服装の人間には説教したくなるようです。
ちなみに襟さえついていれば、ワイシャツがクシャクシャだろうと、スーツがよれていようと、革靴が汚れていようと、何も言われません。
形式が大事だということです。
ウェブ系企業は服装自由
ウェブ系企業は服装は自由です。
服装が自由でないウェブ系企業は知りません。
基本、みんな私服通勤だと思います。
襟付きのシャツを好んで着る人はいますが、襟付きを強制されることはありません。
快適な服装で、生産性が高まればそれでいいということですね。
夏はTシャツ、冬はパーカーが多かったように思います。
服装を気にする人はあまりいません。
髪型も自由です。
ただ職業柄なのか、すごくおしゃれだったり、奇抜だったりする人は少ないように感じています。
服装自由の是非
顧客に不快な思いをさせないように、ビジネスカジュアルを徹底させようとするSIerの姿勢は決して間違ってはいません。
SIerにお金を出してくれるのは顧客です。
なので、顧客が快適な気持ちでいられるような服を着るように社内ルールを作るのは合理的な判断です。
一方で、顧客に会うこともないオフィス内での服装に口を出すのは、「SIer特有の形式主義」が行き過ぎている部分があるように思います。
まして数百人いる本部全体の社員に向けてドヤ顔でメールを送るのは形式主義を超えてみっともないともいえるでしょう。
ウェブ系企業が自由を重んじて、自由な発想で、快適に開発をさせようとするのは文化によるものです。
シリコンバレーの文化が輸入された形ですね。
自社でサービスを開発している事業会社の場合、形式主義は何の意味もありません。
自分たちが開発したサービスが忖度なしで評価されてしまうからです。
スーツを着て開発しようと、Tシャツで開発しようと、良いサービスだったら使われるし、ダメなサービスだったら切られます。
そのため、開発者の服装にごちゃごちゃ言う合理性はないのですね。
服装の自由に良い悪いがあるのではなく、それぞれのビジネスモデルに合わせてルールを作っているのです。
そしてどんな会社で働くのかは個人の好みの問題であり、どの道を選択するかは個人の自由です。
私は服装自由の会社の方が快適に感じますが、気にしない人もたくさんいると思います。