ジョブホッパーはなぜ転職で評価されないのか

最近は「転職を通じて年収を上げていく生き方」がブームになったこともあり、ジョブホッパーが注目されつつあります。

 

転職によって経験を積み、その経験を生かして年収の高い業界に移っていき、年収を上げていくのはサラリーマンとしては理想的で、かっこいい生き方のように思えます。

 

実績を元に、転職を通じて年収を上げていけたならば、たとえ今勤めている会社が潰れたとしても、別の会社で同程度の年収がオファーをいただける可能性がある程度はあるからです。

 

一方で、転職を受け入れる側の「採用条件」に

 

「ジョブホッパーでないこと」

 

が明記されていることはよくあります。

 

採用する側も「どんな人物を採用したいか」は面接前に話し合っていて、多くの企業が「できれば長く働いてほしい」と考えているのです。

 

なぜなら、転職者を受け入れるのは非常に大きなコストがかかるからです。

 

面接にも時間がかかりますし、転入者のために色々な手続きをしたり、機器を用意したりするのも大変です。

 

オンボーディング期間も給料を払わなければなりません。

 

「退職する」となったら引き継ぎにもコストがかかりますし、一時的に業務の偏りが生まれてしまいますし、とにかく面倒な作業が増えます。

 

だから、ジョブホッパーに1年で辞められたら割に合わないのです。

 

以前「転職したことがないのはリスクが高い」と書きました。

 

「転職を経験したことがない」のはリスクが高い - IT業界転職日記

 

転職を経験せず、一社だけで10年以上過ごしているような人はスキル的には正直、色々な会社を経験した人に劣るでしょう。

 

もちろん、業界の最先端を走る企業で過ごす10年だったら話は違うかもしれませんが、少なくともIT業界で同じ会社に10年は長すぎだと思います。

 

短い期間で次々と転職するのもジョブホッパー扱いでNGですが、一つの会社に10年いるのも長すぎで、じゃあどうすりゃいいんだよ!と思われるかもしれません。

 

目安としては3〜5年としておいて、十分なスキルが身についた、学ぶものが無くなった、他社から非常に良い条件でオファーが出た、などのイベントが発生したときに転職するのが良さそうです。

 

ちなみにベストセラーとなった勝又健太さんの『21世紀最強の職業 Web系エンジニアになろう AI/DX時代を生き抜くためのキャリアガイドブック』では、1〜2年で次の職場に移っていくことが推奨されていました。

 

個人的には1年では短すぎるとは感じますが、ウェブ系で次から次へと職場を変える人にとっては1年は十分に長い期間なのかもしれません。

 

私はまだSIer時代の感覚を引きずっていますね。

 

色々な場所で経験を積みたいならフリーランスも選択肢に入れる

これも勝又さんの本の受け売りになってしまうのですが、職歴にバツがつかないようにしたいのであれば、会社を辞めてからフリーランスで仕事を受けていく、という生き方もあります。

 

パーフェクトRuby on Railsを書いた@joker1007こと橋立友宏さんや、有名フロントエンドエンジニアのmizchiさんもフリーランスをやっていたことがありましたね。

 

 

 

フリーランスは職歴に会社名を書かなくて良いので、ジョブホッパー扱いされにくい、というメリットがあります。

 

その分、自分で仕事を取らなければならないし、営業活動なんかも自分でやらなければいけません。

 

ウェブで発信を頑張って、成果物を残して、人脈経由で仕事をもらう必要も出てきます。

 

実力や知名度がないうちはリスクもありますが、経験値を一気に増やせるという意味ではフリーランスもありでしょう。

 

 

ジョブホッパーにならずに経験を積む

ジョブホッパーは正社員採用の面接で敬遠されます。

一つの会社で得られる経験は限られていますが、すぐに別の会社に乗り換えた過去がある人を採用したい会社は多くありません。

 

辞められると色々と面倒で、デメリットがメリットを上回ってしまうからです。

 

なのでまずは一社で最低2年勤めて結果を出しましょう。

転職するかしないかは2年経ってから決めます。

 

転職市場で評価されるのは実務経験ですが、プラスアルファで個人開発をやっておけば、ポートフォリオ代わりになります。

 

会社で全力で成果を出しつつ、夜は個人開発で手を動かすのが良いでしょう。

 

クラウドワークスなどに登録して、請負契約で何か作ってみるのもいいかもしれません。

 

とにかく、具体的なアウトプットを公私問わずに出し続けることです。

ひたすらに手を動かしましょう。

 

そうすれば、いつの間にか他の人よりはるかに前に進んでいます。