「テックキャンプで勉強して未経験でエンジニア就職」が難しいのはなぜか?
テックキャンプでエンジニアコースを受講し、未経験からエンジニアを目指す人のツイートを見つけた。
コロナのせいかテックキャンプとかプログラミングスクールで勉強した人ほんと多いんですよねぇ採用したことないです。
— iCo(アイコ)@自由に自分らしく生きるためにエンジニアを目指すバイク乗りTECHCAMP短期89期 (@icoicounday) April 15, 2021
ってはっきり言われいっそ清々しい面接でした。
36歳で未経験が厳しいのは重々承知していますとも。
「年齢と未経験」が本当に問題なのだろうか。
たしかに年齢が高く、経験がない方が中途で入社するのは難しい。
面接に落ちて人生が否定された気分になるのは痛いほどよくわかる。
私の場合は、希望年収を現年収の半分にしてもいいと言ってるのに、それでも最終面接で落とさることもあった。
「現年収の半分の価値でも不要なのか...」
とえらく落ち込んだものだ。
転職活動は企業と人材の相性によるものが大きい。
「相性」というのは、企業が求めている職歴・経験を求職者が持ち合わせているかどうかという点と、カルチャーマッチングだ。
そういう意味で、企業が求めている職歴・経験が全く無い「未経験」は厳しい。
では「未経験」に全く可能性がないかというと、そういうわけでもないと思いたい。
大半のウェブ系企業は未経験でもOK!とは言わないだろうが、未経験でも受け入れてくれる職場はある。
では、そういう職場の人が何を見ているかというと
「入社してから頑張れるかどうか」
だと思う。
職歴がない以上、「キャッチアップできるかどうか」で判断するしかない。
「キャッチアップできるかどうか」にはポートフォリオがあるかどうか。
自分で何かを作ってリリースした経験があるかどうかも見られるだろう。
そして、ポートフォリオによってスキルを推し量った後は、「学習能力」を見る。
「学習能力」をどう測るかというと、これまでの人生で何かを投げ出さずに頑張ってきたかどうかから推測するはずだ。
受験勉強でもいいし、職歴上で何かを成し遂げた経験でもいい。
困難な状況でも投げ出さずに、逃げ出さずに、しっかりと仕事で成果を出してきたかどうかを見て、採用するかを判断する。
ひるがえって「テックキャンプの未経験」の人のブログやツイートを見てみると、冒頭の方に限らず、
「エンジニアで自由な生活★キラキラ旅して楽しくお仕事♪」
みたいな価値観の人がものすごく多い。
エンジニアリングが好きで好きで、技術がやりたくて仕方ないけど、これまでの仕事でどうしても技術に触れられなくて。
入社できたら水を得た魚のように喜んで仕事をするから頑張らせてほしい!...みたいな根性が見える人は見つけられなかった。
どうもエンジニアを勘違いしているというか、きれいなオフィスでコーヒー片手に、好きな時間に起きて私服でお仕事に憧れてるだけというか...
私服でコーヒーで自由であるというのは全くもって目的ではなくて、業務の生産性を上げるための手段に過ぎない。
生産性が上がるなら別に私服でも制服でもどちらでもいいし、コーヒーを飲まなくても目が覚めて脳が働くなら別に飴でもゼリーでもいい。
つまり、キラキラしたイメージ先行で「エンジニアになりたい!」みたいな人に魅力を感じる採用担当者はあまりいないだろうな、ということだ。
エンジニアリングへの渇望というか、エンジニアリングの経験はないけどなんとかしてくれそうな、そういう可能性を感じさせるようでなければ未経験からのエンジニアは難しいだろう。
かつてのSIerの同僚が辛そうな心境をブログに吐露していた。
新しいテクノロジーに触れて、ものを作りたいような、でも組織の壁に阻まれて、思い通りの仕事ができない。仕事はしっかりやっているし、やり遂げるのだが、自分の理想とは違う...
そんな悩みを綴っているように読めた。
私は今、ウェブ系のエンジニアである。
私はこういう人ならスカウトしたい。
地頭がよく、努力できて、仕事に対する責任感があって、コミュニケーション能力と学習能力が高く、最初はエンジニアリングでのキャッチアップが必要でも、必ず何らかの形で貢献してくれることをイメージできる人。
それだったら私は「開発は未経験」でも十分に採用される可能性はあると思う。
未経験にとって大事なのは、パッションと可能性を論理的に説明できて、採用担当者を納得させられることだからだ。